No rain,No rainbow

「はぁー、見つけたいのは山々なんだけど、なかなかなぁー」

天井を、眺める橘さんに、

「誰かいないの?」

訊ねた、律さん。

「んぁー、いない、ってわけでも、ないこともない、かなぁ…?」

なんて、歯切れが悪い橘さん。

「え?なに?誰かいるの?珍しいなー」

今度は、律さんの方がにやにやしている。

「や!別になんでもない!忘れろ!」

言いながら、コーヒーをひとくち飲んだ橘さん。

「っ!ニガ!!おまえこれブラックじゃん!!」

どんな、嫌がらせだよ。

ぶつぶつ言う、橘さんに、

「オレにひとりでコーヒー買いに行かせた罰だよ罰」

ワイワイ言い合う、親友同士。

羨ましいなぁ。思いながら、ふたりを眺めた。