No rain,No rainbow

「いやいやいやいや。淹れたっつっても、淹れたのは機械で、律はボタン押しただけでしょ」

からかい声の橘さん。

「あ、でも、私のことを思って律さんが淹れてくれたので…」

「かーっ!!どんだけラブラブなんですかー?!」

あー、もうっ!!うらやましいっ!!

額に手を当てて、天井を仰いだ橘さん。

「悔しかったら、おまえも早くいいひと見つけろ」

ぶっきらぼうに聞こえる律さんの言葉だけれど、ほんとうにそれを望んでいることがわかる口調が、優しい。