「ほんとうに、オレの知り合いの店でいいんですか?」

手をつないで歩きながら、律さんが私に聞いた。

せっかくの、結婚指輪なのに。

隣で、ぶつぶつとつぶやく律さん。

「「せっかく」、だからです」

律さんのお友だちに、結婚指輪を作ってもらえるなんて。

律さんといっしょの想い出が増えるのも嬉しいし、律さんのお友だちに会えるのも嬉しいし。

過去の律さんを知れるみたいで、嬉しいんです。

もう、律さんは私の一部で私も律さんの一部、だと嬉しい、です。