No rain,No rainbow

「…なんだか、横顔ばっかりで少し、寂しかった、です…」

どうしてなのだろう?

律さんと同じ時間を過ごしていると、自分の感情が、自分自身じゃ手に負えなくなる。

こんなこと言ったって、困らせるだけだとちゃんと、自分でわかっているのに。

律さんが運転してくれているのだから、そんなことは当たり前なのに。

でもそれは、そう思うくらい、そしてそれを口に出してしまうくらい、律さんが私を見つめてくれることが、当たり前になっている証拠、で。

こんなふうに、誰かを想う日がくるなんて。

そうしてその相手の気持ちも、真っ直ぐに私に向いているなんて。

神様がくれた、ごほうび、だろうか?