No rain,No rainbow

「…私、も…、」

「うん」

言いかけた私に、穏やかな返答が、優しい目の色が、こころの中まで、素直にさせる。

「…愛して、ます」

想いをこめてつぶやいた。

ふっ。

優しく笑ったのは、律さんで。

「どこまでも、相思相愛、ですねぇ」

見つめ合う。

赤信号と青信号の隙間。

その灯りに照らされて。

ゆっくり重なる、律さんと私の影。

ひとつに溶ける、宵闇のなかで。