No rain,No rainbow

恥ずかしい気持ちと、はっきり告げられた「愛してる」の言葉が嬉しい気持ち。

ごちゃまぜになった感情は、

「詩さん」

もう一度、優しく呼ばれる声に、真っ直ぐになる。

頬を撫で続ける、ぬくい体温。

「詩さん、信号変わっちゃうから、目、開けて?」

律さんへの想いが、真っ直ぐになる感情。

そこに、恥ずかしさは残っていない。

律さんが、はっきり伝えてくれてとても嬉しかったように、今度は私が真っ直ぐに伝えよう。

ゆっくり目を開けたら、私を、見つめてくれる瞳に出逢った。