「だから、しましょう。結婚式」

「…あ、えと、私、友だちとか居ないし…それに、あの…前に結婚していたひとを、うちの両親がかなり気に入ってて。急に、別れることになったから…あの、勘当、されたみたいになってて…」

「そう、だったんですか。理由は?話さなかったの?」

「あることないこと、うちの両親に吹き込んだみたいで。口がうまい人だったから」

「そう」 

律さんの穏やかな声がして、安心する。

「じゃあ、ふたりきりで、しましょう」

ふたり、きり。

「そう。神さまに誓うの」

穏やかに笑う、律さん。