長い長いキスのあと、やっと離れたくちびる。

「あのドラッグストアの前で会ったあなたは、酷い顔をしていたから」

今は、柔らかくて優しくて、キレイ、です。

律さんの声が、体の中を通ってゆく。

ぬくい温度とともに。

「…そう、ですか?」

「そう、ですよ?」

ふたり、顔を見合わせ合って、微笑んだ。