「もう一度、言います…」

そこで、息を吸い込んだ、律さん。

「…け、」

「結婚してください!!」

揃ったのは、最初の一文字だけ。

勢い余って、叫んだ私の言葉で、上書きされた律さんのプロポーズ。

「…はははははッ!!」

弾ける、律さんの、笑い声。

もうっ、まったくあなたは。

オレのセリフ、取らないでくださいよ。

苦笑いの律さんに。

「だって、私もちゃんと言いたかったから」

つぶやいた瞬間。