No rain,No rainbow

「詩さん」

この空間に浸っていたくて、閉じた両目。

律さんが、私を呼ぶ声が宙に舞って、ゆっくりと私を包んでゆく。

「詩さん」

この空間が、やさしくて、気持ちよすぎて目を開けるのがもったいない…

「…律さん、好き、です。とても…」

目を閉じたまま、律さんの言葉を待つ、シアワセ。

「詩さん。オレも。オレも好き、です」

重ねられた言葉と、くちびるの熱に酔う。

なんどもなんども…