No rain,No rainbow

「…これからは、出来るだけ素直でいます。だから…いっしょにいたいんです…」

つぶやいた私の言葉を聞いた律さん。

相変わらず、優しい右手は私の髪を撫で続ける。

「いいんですよ。素直じゃなくても、強がりでも。弱くても。そのままのあなたが好きなんです。ただオレが、あなたを大事にしたいだけ、なんです」

律さんの言葉が優しい。

「…私だって、律さんが大切、です。とても」

「ありがとう、ございます」

見つめ合う、心の底を晒し合って。

私は私でいていいと。

あなたはあなたのままでいてください、と。

お互いが同じことを考えている。

これ以上に、嬉しいことは、ない。