No rain,No rainbow

「あ、あんず!お前、ストップ!!飲み過ぎだって!!」

藤城さんの素直な甘い言葉に、ほだされたのか、あんずさんがワイングラスの中身を一気にあおった。

「だってっ!あらた、今日は素直で優しすぎて、ズルいッ!!もう、呑まないでいられないもん!!」

ちいさな子どもが、ぐずっているような口調のあんずさん。

可愛らしいけれど、相当、酔っているみたいで。

でも確かに、それほど藤城さんの言葉は、甘い。

聞いているこっちまで、恥ずかしくなってしまうけど、普段、あまり言われ慣れないなら、恥ずかしいけれど嬉しいだろう。

私は、普段から律さんの甘い言葉に慣れているから、大丈夫。

胸をなでおろした。