「なんだか、当てられちゃいましたねぇ」

穏やかな律さんの声で、空気が変わった。

「…すみません。こんなことあんまりするようなひとじゃないんで、びっくりしてしまって」

律さんと私にそんな風に話したあんずさんは、

でも、嬉しかった。ありがと。

ちらちらと、伺いながら藤城さんに言っている。

「確かに、いつもあんまり優しく出来てないからな」

つぶやいた藤城さん。

「そんなことないッ!あらたはいつも優しいもん!!むくれてごめんねッ!!」

藤城さんの言葉に、被せるようような大声はあんずさんで。

毒気を抜かれたような藤城さん。

一瞬の間ののち、ふたりは顔を見合わせあって笑い合った。

それを眺める、律さんと私も笑顔になった。

シアワセが溢れている、モノトーンの部屋に咲く、色とりどりのガーベラとチューリップ。

その花たちが、余計にこの空間をシアワセなものにしていて、嬉しくなる。