「すみま…せん…」

言いながら、立ち上がった。

案外尻に敷かれてそうで、可愛らしい。

「だいたい、どこに行ってたの?」

言いながら、冷蔵庫の野菜室から、レタスを取り出したあんずさんは、

まったくもう。

ちいさくつぶやきながら、レタスを刻んでゆく。

その下唇は尖っていて、そんな仕草もいちいち可愛らしい。

いや…とか、でも…、とかぶつぶつつぶやいているのは、藤城さんで。

あんずさんは、一刻も早く藤城さんに会いたかったから、膨れているんだろうな。

可愛らしすぎる、ふたり。