少しして、戻ってきたあんずさんのあとから、藤城さんの姿が見えた。

「「あ、おじゃましてます。おめでとうございます」」

律さんと同時にソファーから立ち上がって、発した声は、偶然にも揃って。

「おー、やっぱ、すげーシンクロ率、ですね」

目を丸くしている、藤城さんとあんずさん。

そんなふたりの顔が可笑しくて、私と律さんも顔を見合わせて、くすくす笑う。

「あ、とりあえず準備するので、座っていてくださいね」

あんずさんが言ってくれたけど、

「あの…何かお手伝いを…」

言いかけた私を遮って、

「大丈夫大丈夫。座っていてください。ってか、なんであらたが1番最初に座ってるの?お客さま待たせたんだから、手伝ってよね」

そんなあんずさんの言葉に、座りかけていた腰を浮かした、藤城さん。