No rain,No rainbow

気がつくと、とっくに23時を過ぎていて。

ふと、不安になって、隣の律さんを見た。

すーすーと、穏やかな寝息が聞こえて、少しだけ、安心した。

毎日、23時をただいっしょに過ごすと決めたのに、眠ってしまうなんて痛恨のミス、だ。

自己嫌悪に陥って、落ち込んだ。

「…どうしたの…?なんか、哀しそうな顔、してる」

気がつけば、律さんが私の頭を撫でてくれている。

その目の色は相変わらず、優しい。

「…23時に起きていなかったから…」

律さんに申し訳なくて、顔をあげられない。

と…

「…わ…っ…!!」

ふいに律さんが、私の両頬に両手を添えて、顔を上向かせた。