隣には律さんがいて、私の目を見て微笑んでいる。

枕の代わりに、首の下に敷かれているのは、律さんの腕で。

律さんのどこに触れても、ぬくい。

少し、気怠い。

うとうとしそうになる、シアワセな気怠さ。

「…寝ても、いいですよ?」

そのまま、私を抱き締めてくれる、律さん。

「…でも、寝ちゃうのもったいない…」

目を閉じながら、口をついた本音。

「…あぁっ!もうっ!かわいい!!」

言いながら、一層強く抱き締めてくれる両腕。

回された背中のぬくさが、嬉しい。

私も、同じように律さんの背中に両腕を回した。

少し触れただけでもわかる、傷跡。

ゆっくり、撫でた。

少しでも、ほんの少しでも律さんの傷が、律さんの気持ちが癒やされますように…

思いを込めてただ、撫で続けた。