律さんの穏やかな声は、右耳から入って、心臓の奥深くまでゆっくり入る。

鼓動に混ざってやがて、私の全身に広がってゆく。

頭の先から足のつま先まで。

もう、なくなったら生きて行けない、私の大切なあまい、声。

流れに任せて、この空気に浸っていたくて、ゆっくり目を閉じた。

そんな閉じたまぶたに落とされた、律さんのキスに酔う。

優しく頬に触れる、てのひら。

空いてる片手は、髪をなでてくれる。

これこそがシアワセで、律さんと過ごすすべての時間が私の糧。