そんなオレの臆病な気持ちを、軽々と超えてきたのは、あなた、で。

あなたの哀しそうな顔はもう、見たくなくて。

そんな顔をさせる原因が、オレが総てを話さないことなら、もう、全部話して晒してしまおう、と。

あなたなら、オレを受け入れてくれる。

なんだか、確信があったんです。

自分の傷跡なんて、あなたの哀しそうな表情に比べたら、なんともない。

たいしたことじゃない、って。

そんな風に思う自分にびっくりして。

オレの隠したいものなんて、大事なひとが受け入れてくれたら、大事なひとさえ分かってくれたら、それでいいんだ。って。

そう思わせてくれた、あなたに出逢えたことが、何より嬉しくて。

生きていて良かったと、あなたに出逢うために生まれてきたんだと分かったんです。