「…待って、電気消させて…?」

仄暗い、部屋の中。

窓から差し込む月明かりが、ぼんやりと律さんの頰を照らしている。

私を見下ろす、律さんの目は、静かで深い。

「…律さん…律さん…」

ただただ、律さんを呼び続けた。

シャツを脱ぐ、衣擦れの音や、深いため息。

体の上を優しく滑る指。

その薬指に光る、指輪。

首筋や、頬やくちびるに落とされる、熱を持ったキス。

そのすべてが優しくて、私に深い安らぎとシアワセを連れてきてくれる。

ひたすらに優しい、律さんとのセックス。

怖いものや、痛いことなどひとつもなくて。

"愛してる"なんて、口から言葉が滑りそうになって、そんな自分にびっくりして焦る。