「いつもいつも、オレの中、いっぱいにするのは、誰でもない、あなたなんです」

ちいさなヤキモチも、嫉妬もたったひとことで、無かったことにしてしまうあなたにもう、完敗です。

なんて、両手を上げて見せる律さん。

その空いている胸に、思わず抱きついた。

「こうやって抱きつけるのも、いっしょにごはんを食べるのも、好きな曲を聴くのも、もちろんキスも。もう、律さんとじゃないと意味がないんです」

律さんじゃなきゃ、駄目なんです。

いつの間にか、テレビから流れているのは、映画のエンディング曲。

「終わっちゃいましたね、映画」

「終わっちゃいましたねぇ、キスシーン」

またも、そんな律さんのからかい声。

「いいんです。律さんとたくさんするので」

「おっ。煽りますねぇ」

見つめ合って、どちらともなくキスをした。