「…い?いや…?これくらい、全然大丈夫、です…けど…?」

焦っているために、最後の方は声が裏返ってしまう。

「ほら、あなたの好きな人が濃厚なキス、してますよ?」

画面に視線を移しながらいう、律さん。

「…律さん、結構、意地悪、ですね…?」

そんな上目遣いの私の抗議を、

「それも、あなたにだけだって、知ってました?」

そもそも、あなたがオレ以外の男を見つめているのを、横でただ見ているだけなんて、できるわけが無いでしょう?

「…律さん、今朝の私の夢に出てきてくれたの、知らないでしょう?」

律さんを見つめながら、ゆっくりと問いかけた私に、

「まったく、ほんっとうにあなたは…」

"出てきた"ではなくて."出てきてくれた"だなんてあなた、反則でしょう…?

膝についた腕に、頰を預けながら、私を眺める律さん。