再生したDVDの映画を、ふたりで観る。

たまに盗み見る、律さんの横顔はキレイだ。

映画は、原作を忠実に描いていて、観ごたえがある。

忠実に、ということは…、

ふと思い出した、真実にいてもたっても居られなくなって、

「…紅茶のおかわり、淹れてきます」

言いながら、立ち上がった私の右手を掴んだ、ぬくい手のひら。

「いいから。ここにいて」

その声色は優しい。

諦めてまた、素直に律さんの横に腰を降ろした。

掴まれた手首から降りてきた、律さんのてのひらは、そのまま私の手のひらを包んだ。