「…あなたが、いけないんですよ…?こんなことで嫉妬させるくらい、好きにさせるから…」

胸から響いてくる声色は、優しい。

「もうね、ウィキペディアとか事務所のホームページとかで、調べまくっちゃいましたよ。オレの方があなたよりたぶん、この俳優に詳しくなっちゃいました」

苦笑気味の、律さんの声。

「最初に写真集を見つけたとき、どう思ったんですか?」

そんな律さんをからかいたくなって、そんな風に聞いてみた。

「最初に見つけた時?なんだとー?!って、心の中で叫びましたよ。誰だこいつ、誰だ?!って」

そんで、名前を頭の中に刻みつけて、部屋に帰ってソッコー調べました。

いや、ね?そりゃあ、確かにかっこいいことは認めますけど、写真集まで持ってること、ないでしょう?テレビに映ったら、ガン見してるし。

ぶつぶつつぶやく律さんは、いつもに増して可愛らしい。