No rain,No rainbow

「オレという男がいながら、あなたは…」

膝の上についた手のひらに、左頬をつきながら私を見つめる、律さん。

「この俳優、オレと同い年で、身長もいっしょなの、知ってました?」

「え!そうなんですか!知らなかったです」

覗き見た律さんのくちびるは、少し尖っている。

「…律さん、もしかして、嫉妬、してます…?」

微笑みながら、律さんに問いかけた。

「…嫉妬…?まさかまさか、そんなことあるわけないでしょう…?」

ゆっくり首を横に振る仕草さえ、可愛らしくて愛おしい。