ふたりで日課のお散歩をしている。

ちいさなポシェットひとつを肩から下げて、身軽な体が嬉しい。

律さんは相変わらず、首からカメラを、下げている。

重たくないんですか?

いつだったか聞いた私に、

「あなたの色んな表情を撮れないほうが、オレには重いから」

知ってました?一緒に過ごせるようになって、結構経つのに、あなたは未だに新しい表情を見せてくれるんですよ?

それだけでオレはもう、毎日がシアワセなんです。

見上げた律さんの表情は、柔らかく優しい。

繋いだ右手はやっぱり、いつだってぬくい。