「ほんとだ。甘くて、うまい」

上目遣いで見つめる、目は、ほら、あなたも。促している。

「ん?」

なんて。眉を少し上げて、私を待っている。

なけなしの理性で、カップに残っているシャーベットをスプーンで掬った。

そのまま、律さんの口元に無言で持っていく。

「ん?何にも言ってくれないの?」

意地悪に弧を描くくちびる。

あーん。とか、しろ、と?

「…律さん、溶けちゃいます…」

顔が赤くなるのが分かって、思わず下を向いたら、私のスプーンを持っている右手を引き寄せた、律さん。