律さんが、ミルクティーのアイスクリームを、私がピンクグレープフルーツのシャーベットのカップを持っているけれど、自分のカップのアイスクリームやシャーベットを掬って、相手に食べさせているから、自分が持っているカップの味は知らない。

なんだかこの状況が可笑しくなってきて、

ふふ。笑ったら、

「ん?なあに?」

相変わらず穏やかに聞き返す、声。

「律さん、ミルクティーのアイスクリーム、自分で持ってるのに、ひとくちでも食べました?」

「…そう言われれば、食べてない、かも」

「私も、このシャーベット、ひとくちも食べてないです」

ふふ。

ふふ。

目を合わせて、照れ笑い。