目を合わせたまま、落とされたのはあたたかなキスで。

頭の芯がぼーっとする。

ゆっくりくちびるを離した律さん。

その目を見つめていたら、理性の蓋が外れそうになる。

「…アイス、一旦冷凍庫に戻します…?」

聞いた私に、

「アイスより甘いの先に食べたら、アイスの味がわからなくなるでしょう?」

なんていつもの、余裕の笑顔。

…あぁ…、その笑顔が何よりも私には、甘い…

「…律さん…もう一回だけ…」

思わず漏れた、私のちいさなつぶやき。

「…ん?もう一回だけ、なあに?」

分かってるくせに…

またもつぶやけば。

「分かってるから、余計に聞きたいんですよ。あなたの口から、ね」 

その囁きは抗い難い。