「ちゃんと、食べましょう」

もやしやキャベツ、豚バラ肉なんかをカゴに入れていく、律さん。

「今日は暑かったから、アイスも買っちゃいましょうか」

律さんに手を引かれて、アイス売り場にやってきた。

「律さんは、なににするんですか?」

「んー、シャーベット系かかき氷か、でもアイスクリームも捨てがたいしなぁ」

ショーケースを覗き込みながら言う、横顔。

思いのほか、真剣に悩む表情が可愛らしくて、笑ってしまう。

「ん?」

そんな私に気がついた律さんは、私に視線を向けた。

「そんなに真剣にアイスを選んでるから、可愛くて」

くすくす笑った私に、

「30過ぎの男に向かって、可愛いだなんて、あなた」

少し、顔をしかめてみせた。