その手を迷いなく、両手で包んで、自分のおでこに押し抱いた。

「律さん。私が、います。私じゃ、役不足ですか?」

見つめた、律さんの目に、私はどう、映っているのだろう?

「役不足、だなんて。そんなことあるわけない、です」

あなたはオレにとってもう、空気や水です。

あなたなしでは、生きていかれない…

おでこに押し付けていた、律さんの両手は、ちいさく震えている…

いたたまれなくなって、律さんの背中を強く、抱きしめた。