「…律、さん…」

「…はい」

呼び掛けてみたものの、続く言葉が探せない。

私は、どうすべきなんだろう?

言いたいことは、たくさんあるのに、そのどれもが文章にはならなくて。

「…オレ、毎日23時になると、涙が出るんです。3分間くらいなんだけど。色々、カウンセリングとかも行ったりしたんですけど、治らなくて」

自分の組んだ手のひらを見つめながら、話す律さん。

「気持ち悪いでしょう…?こんな男」

はは。その笑いは自嘲気味で。

律さん、こんな笑い方もするんだな。

いや、人間だから当たり前だ。

気分の良いときもあれば、悪いときもある。

どんなときも、私を受け入れてくれた、律さんに私が今、できる事…