No rain,No rainbow

「そんな風に、あなたが思うんだったら、オレにだって、そんな価値はないです」

オレはただ、あなたと同じ位置にいたい。

あなたが好きなもの、好きなこと、好きな映画。

好きな小説、好きなアーティスト、好きな色。

そういうのを全部、知りたい。

例えば、オレが好きなもの、好きなことをあなたに伝えたら、あなたはそれを決して否定しないでしょう?

オレを知ろうとしてくれるでしょう?

そういうことなんじゃないかな。

それは、オレもいっしょ。

ゆるく微笑む口元、背中をさすってくれる手のひらは、相変わらずぬくい。

背中から伝わってくるのは、律さんの溢れるくらいの優しさ。