ふわり、と抱きしめられた腕の中。

シャツ越しに香る、私のボディーソープ。

ずっとずっと、こうしていたい。

さっきみた夢はきっと、なにかの間違いで。

だって私は今、こんなにシアワセだから。

律さんは?律さんはちゃんと今、シアワセだろうか?

ずっと胸の奥にこびりついている、漠然とした不安。

「…律、さん…」

私のちいさな囁きは、律さんの胸に吸い込まれる。

「はい」

それでもいつも、逃さずにすくい上げてくれる。