「えーと?泉詩さん。年齢は…28歳、と。午前中とか午後だけとかご希望あります?」

穏やかそうな眼鏡の店長。

ネームプレートには…

「自己紹介がまだでしたね。すみません。僕は店長の大澤、といいます。」

丁寧に私に頭を下げてくれる。

「よろしくお願いします。泉です。あの、時間はいつでも大丈夫です。…離婚、したばかりで子どももいないので。」

「そうでしたか。実は僕もなんですよ。人生色々ありますねぇ。」

穏やかに笑う店長に、そうなんですね。私も返した。

「仕事内容は、品出しと慣れてきたら、レジもお願いしたいんですけど、大丈夫ですか?あと、お子さんがいらっしゃるパートさんも多いので、もしかしたら急に時間を代わって頂いたり、ちょこっと残業とかあるかもしれないんですが…」

右手の人差し指と親指を少し開けながら、店長が言う。