嫌な汗をかいて、飛び起きる。

良かった。律さんは変わらずに寝息を立てている。

時計を確認するとちょうど11時。

もう少しだけ、寝かせてあげよう。

律さんの髪を撫でようと、時計から律さんに視線を戻した。

「…え…、」

思わず漏れた声は、あまりの驚きにそのまま固まったから。

閉じられた律さんの両目から、はらはらと涙が溢れている。

それは、次から次から。

ひどく長く感じる時間。

律さんを起こそうかどうか迷って、流れる涙をどうにかしてあげたくて、その頬に触れた。