狭いけどあたたかな部屋の中に響くのは、時計の秒針の音と、律さんの穏やかな寝息。

ずっとずっと眺めていたいのに、私にまで睡魔がやってきた。

ぬくい律さんの体温は、天然の湯たんぽ。

優しい寝息は、子守歌。

これで、眠くならないほうがおかしい。

律さんの髪を撫でながら、私もいつの間にか夢を見ている。

夢の中の律さんは、なぜか不安げで。

私に何かを伝えようと必死に喋ろうとしている。

でも、その口元から音が紡がれることはない。

口をぱくぱく動かしているだけ…

何?何が言いたいの…?