「…もちろん…、律さんのため、に、決まって、ます」

下を向きながら、恥ずかしくてわざと区切った私の文章に、

「ありがとう、ございます」

余裕で返す、雨男。

「も少ししたら、上がりでしょう」

外で、待っています。

微笑みを残して、歩いていく律さんを見送った。

はぁー、ココロ乱されまくり、だ。

ひと息ついてまた、残りの棚を片付け始めた。

あ、こっちのピンクのマニキュアも、淡くてかわいい色だな。

買って帰ろうかな。

ちいさなピンクの瓶を目の前にかざした。