「あなたはやっぱり、キレイ、ですね」

カメラから目線をあげて、まっすぐに私を見つめる。

キレイなものは、思わず撮りたくなっちゃうんですよ。

自分にはないものだから。

ちいさく、本当にちいさく呟いたから、律さん自身もたぶん、口に出したことに気がついていない。

「律さんは、ステキなひとです。とても」

想いを込めて囁けば、

「ありがとう、ございます」

まるで大輪のチューリップが咲いたみたいに、一瞬で笑顔になった律さん。

「律さんにもし、不安に思うことがあったら、言ってくださいね?全力で、支えます」

少しおどけて、力こぶを作る私を、

「はい。頼りに、してます」

笑顔で見つめる、私の愛おしいひと。