「…わ…っ!」

「…すごい…!」

どっちがどっちを叫んだのかわからない位の、衝撃。

雨に濡れた歩道橋のむこうに、大きな虹が見えている。

「…律さん!律さん、律さん!!写真、撮らなくていいんですか?!」

「…あ、はい」

急いでカメラを取り出して、虹へ向かってカメラを構えた。

と、ワンテンポ遅れて、くるりと振り返って私にカメラを向けた。

「…虹よりも、虹にびっくりしているあなたの方がキレイです」

そうして1度、ゆっくりシャッターを切った。