「…どっ…え…?…わ…、」

声にならない私の声に、

ふふふ。また、余裕で笑っている。

「行きましょう」

何事もなかったように歩き出した律さん。

その左手には、当たり前のように私の右手が繋がれている。 

手を繋いで歩くことがこんなに嬉しいなんて。

手を繋いで歩く相手がいることが、こんなにシアワセだなんて。

身長差があるのに、私が置いて行かれないのは、律さんが私の歩幅に合わせてくれているから。

その優しさが当たり前ではないことを私は知っている。

だから、大事に大事に、しよう。

律さんと過ごす、毎日を。