「嫌じゃないです!けど…恥ずかしく、ないんですか?」

「恥ずかしく、ないですよ?全然」

だって、オレはあなたが好きで、一瞬でも離したくないから。

見上げた律さんの両目は、私を優しくとらえていて。

その優しさに怯みそうになる。

だって、私だから。

いつもだったら無意識に流れる弱音は全部、あたたかでぬくい左手に吸い込まれてゆく。

道の真ん中で、立ち止まって見つめ合う。

ふっ。笑ったのは律さんで。

握った私の右手を持ち上げて、素早く、くちづけた。