お蕎麦をお互いに半分こして、お腹がいっぱいになって、優しいお父さんとお母さんに、ごちそうさまをして、お店を出た。

「少し、散歩しましょうか」

歩き出した律さんは、

「…え、ちょっ…、」

「うん?」

「…あ、…手…」

当たり前のように繋がれた、律さんの左手と私の右手。

伝わってくるのは、律さんのぬくい体温と優しさ。

「あ、嫌だった?」

言いながらも、繋がれたままの手のひら。