イヅナがそう言うと、雄鹿はペコリと頭を一度下げて消えていく。
「どうして図書館に?まだ何も手がかりなんてないけど……」
疑問を抱きつつも、イヅナは村に一つしかない図書館に向かって歩き出す。図書館はジェイムズ村長がいる役場の近くだ。
「ヴィンセントが何か見つけたのかしら……」
少し期待をしながらイヅナは歩く。心地よい風がイヅナの頰を撫でた。
村に一つしかない図書館は、イヅナたちの住んでいる街のものに比べるととても小さく、十人ほどが中に入れる程度の大きさだ。置かれている本の数も少なく、その多くが歴史や民俗学についてのものが多く、子どもが立ち寄ることは滅多にないそうだ。
学校と同じく、図書館も木造だ。壊れてしまいそうなボロボロのドアを慎重に開けると、カウンターで司書と思われる小太りの女性が居眠りをしている。そして、小さくて狭い図書館の中では、人を見つけるのも簡単だ。
「ヴィンセント、レオナード」
図書館の中のため、イヅナは小声で二人に話しかける。レオナードは「よっ!」と明るく笑ったが、ヴィンセントは机の上に難しそうな本を大量に置いて、その中の一つを真剣に読んでいる。
「どうして図書館に?まだ何も手がかりなんてないけど……」
疑問を抱きつつも、イヅナは村に一つしかない図書館に向かって歩き出す。図書館はジェイムズ村長がいる役場の近くだ。
「ヴィンセントが何か見つけたのかしら……」
少し期待をしながらイヅナは歩く。心地よい風がイヅナの頰を撫でた。
村に一つしかない図書館は、イヅナたちの住んでいる街のものに比べるととても小さく、十人ほどが中に入れる程度の大きさだ。置かれている本の数も少なく、その多くが歴史や民俗学についてのものが多く、子どもが立ち寄ることは滅多にないそうだ。
学校と同じく、図書館も木造だ。壊れてしまいそうなボロボロのドアを慎重に開けると、カウンターで司書と思われる小太りの女性が居眠りをしている。そして、小さくて狭い図書館の中では、人を見つけるのも簡単だ。
「ヴィンセント、レオナード」
図書館の中のため、イヅナは小声で二人に話しかける。レオナードは「よっ!」と明るく笑ったが、ヴィンセントは机の上に難しそうな本を大量に置いて、その中の一つを真剣に読んでいる。

