「唱馬、コーヒーは?」
唱馬から少しだけ体を離して、私はそう聞いた。
「ごめん、今はもう戻るよ。
これ以上、さくらと一緒にいたら、仕事なんかどうでもよくなりそうだから」
私はそんな唱馬が可愛くてクスッと笑った。
「ゆっくり休んでね。
僕が居ると、さくらは休めないからさ」
唱馬は、もう一度、私にキスをした。
唱馬を包み込むふんわりとしたオーラが、まるで、私の体まで包み込んでくれるみたいに心が軽くなる。
もう引き返せない。
私は唱馬を見送りながら、漠然とそう思った。
だって、今夜、私達は必ず結ばれるはずだから…



