太田さんは、私の顔や首元に貼り付いた干からびた紅葉を、次から次へとゴミ箱へ捨てていく。
何度もため息をつきながら。
「さくらちゃん、これ酷いよ」
太田さんは、私の顔を手鏡に映してくれた。
「目の下の柔らかい皮膚が赤くなって腫れてるし、あと、口の回りも火傷みたいに赤くなってる。
痛かったり痒かったりしてない?」
私はわざと顔の皮膚を動かしてみた。
痛いし、突っ張ったような違和感もある…
でも、心のどこかでその事を言っちゃいけないって思っていた。
慈恩をかばっているのか、何だかよく分からない感情が私の口を閉じさせる。
「大丈夫?」
もう一度、太田さんがそう聞いてきたけれど、私は苦笑いをするだけだった。
でも、唱馬は騙せない。
「とりあえず、今日はもうお化粧はしない方がいいと思う。
できるなら、皮膚科へ行ってちゃんと診てもらった方がいい。
今日の仕事は何時まで?」
太田さんは心配そうに、私の顔を覗き込む。



