ほら、やっぱり、私はきっと紅葉のように真っ赤なのだ。
だって、胸の奥の方が山火事のように燃えている。
紅葉を拾いに行く前から、もう疲れてしまった。
私はリュックからタオルを取り出し、噴き出す変な汗をそっと拭いた。
そして、助手席側の窓を全開にする。
すると、そんな私を見て、慈恩も運転席側の窓を全開にした。
「気持ちいい~~」
風になびく慈恩の髪、ほんのりと香る慈恩の匂い…
私は小さく深呼吸をした。
「高梨さくらって面白いな…
唱馬のお気に入りっていうのにも興味がある。
この間の胸のざわざわは、もしかしたら本物だったのかも。
もっと、君の事を知りたいな」
君の事を知りたいな…
その言葉が頭の中をグルグルしている。
君も事を知りたいな…
その言葉を永遠に噛みしめていたい。
「その紅葉の葉っぱは湯船に浮かべるんだろ?」
「は、はい」
私は驚いた。
慈恩が紅葉スパの事を知っているなんて思わなかった。



