さくらって、一体何者なんだ?
今の俺はさくらの下僕になりたいと心から願っている。
そして、たっぷり淹れた紅茶も、お皿に積み上げたビスケットの山も、あっという間に無くなった。
お腹が満たされた俺達は、心地よい沈黙にまったりと身を委ねる。
三人掛けの大きめのソファに二人で寄りかかり、俺はさくらの指に自分の指を絡めた。
少しだけ力が入るさくらの指先に、俺は息が止まるほどの興奮を覚える。
ダメだ… もうこれ以上は持てない…
「俺はさくらと結ばれたい…
だから、今だけは、唱馬の事は何も考えないで…
二人だけの世界を満喫しよう」
ここでさくらが怯むようなら、その時は潔く諦めよう。
でも、そんな事には絶対にならない。
もし、この世に運命があるのなら、神様の力で俺達は何があっても結ばれる。
いや、神様の力を借りなくたって、俺達は自分達の意思で絶対に結ばれる。
この世が尽きてしまわない限り。



