専務の熱い吐息と優しいキスに応えるだけで精一杯だった。
唱馬のキスも魅力的だけど、その何百倍も専務のキスは私を虜にした。
「俺も… さくらとセックスがしたい…」
私は、専務の言葉に驚いて顔を上げる。
このままの流れでそうなったとしても、私は本望だから。
「でも、しない…」
専務は優しい瞳で私を見つめる。
「俺だけのさくらにならなきゃ、嫌だ…
唱馬にさくらを譲ってもらうにも、さくらとセックスしてたら話し合いにもならないし」
そして、専務は私を包み込むように抱きしめた。
「俺が勝手にさくらを奪い取ってもいいけど」
私は首を横に振った。
それはダメ… 責められてもなじられても、今の私の気持ちをちゃんと唱馬に伝えなきゃ。
「分かった…
でも、どうしてもうまくいかない時は、必ず、俺に伝える事。
あとは、俺に任せてほしい」
私は専務に抱きついたまま、頷いた。
本当はこのまま離れたくない。



