トライアングル的極上恋愛〜優しい沼に嵌ってもいいですか?〜



好きという言葉を言いたいけれど、わずかな理性がそれを阻止しようともがいている。
唱馬の愛情を受け入れたくせにと毒づいて、私を苦しめた。
でも、専務とキスがしたい。
以前、専務の気まぐれな軽いキスだけで、私のハートは壊れてしまった。
その記憶が鮮明に蘇ってくる。

専務は激しく抱きつく私をそっと引き離し、私の震えるくちびるに軽くキスをした。
そして、ニコッと笑う。
その笑顔が私の感情をかき乱す。
専務の全てが私の欲望を刺激して、私が私じゃいられなくなる。
専務を愛している。
その気持ちは何をやっても抑えられない。

「…さくら」

専務の声は、私を求めている声だった。
車の中の生ぬるい空気が、二人の距離をあっという間に縮める。
専務のキスは余裕のある大人のキス。
でも、私への熱い想いは、くちびるを重ねるたびに苦しいほどに伝わってくる。
私はキスだけで昇天しそうになった。
熱くなった体がトロトロに溶け始めたみたいに、私の思考能力はもはやここにはない。